主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 103-106
森林内に木漏日のある画像と木漏日のないコントロール画像の2画像を刺激として17 名の被験者に提示し,両刺激に対する実験中の生理応答(脈拍,血圧,脳血流量)の変化と主観評価およびその関係について調べた。その結果,「木漏日」-コントロールの間で,主観評価・生理応答のそれぞれに有意な差異が確認された。また生理応答ではベースラインと比較して,木漏日のある刺激で,右側前頭前野の脳血流量が有意に減少していた。さらに生理応答結果を目的変数および主観評価結果を説明変数とした重回帰分析の結果から,木漏日のある森林環境において,活気の評価が高いと拡張期血圧が低下する可能性があること,自然性の評価が高いと総ヘモグロビン量が低下する可能性があることなどが示唆された。