日本薬理学雑誌
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Bufadienolidesと数種の強心薬のモルモット心臓に対する作用
平井 康晴森下 信一伊藤 千尋坂梨 又郎
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1992 年 100 巻 2 号 p. 127-135

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抄録

センソに含有されるbufalin (BF) やcinobufagin (CB) などのbufadienolidesの心室筋Na+, K+-ATPase活性とモルモットの乳頭筋活動電位に対する作用および開胸モルモットを用いたin vivoでの強心作用を数種の強心薬と比較した.1) モルモットの心室筋Na+, K+-ATPase活性阻害作用強度はBF>digoxin (DG) >digitoxin (DT) >telocinobufagin>gamabufotalin>cinobufotalin>CB>g-strophanthin (GS) >digitoxigenin (DTG) >resibufogenin (RB) の順であった.2) モルモットの乳頭筋標本において, CBは10-7Mより濃度依存的に活動電位幅 (APD) を短縮した.APD短縮作用の強さはGS>CB>DTG≫DTの順であった.3) GS, CB, DTおよびDGの0.1~0.4mg/kg静脈内投与により強心作用が認められた.4) 十二指腸内投与後の強心作用強度はmetllyldigoxin, proscillaridin>BF>CB>DG>センソ≫DT, DTG, RBの順であった.

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