分析化学
Print ISSN : 0525-1931
キシリジルブルーIと非イオン性界面活性剤を用いるマグネシウムの二波長吸光光度定量
渡辺 寛人田中 裕晃
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1977 年 26 巻 9 号 p. 635-639

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抄録

キシリジルブルーIとそのマグネシウムキレートを少量のトリトンX-100で水に可溶化し,二波長測光によるマグネシウムの定量法を検討した. pH 11.0~12.5でキレートの極大吸収波長515 nm における吸光度は最大かつ一定となり, 515nmでの試薬ブランクは pH 11~11.5 で一定である.マグネシウムの定量に際しては515nmと試薬の極大吸収波長620nmの差吸光度を pH 11~11.5 で測定した. (0.1~3)μg Mg/25mlの範囲で検量線は良い直線性を示し, Sandell 感度は 0.00039μg Mg/cm2である.呈色は迅速で少なくとも12時間は安定である.新しいマスキング剤の組み合わせを見いだし,本法が天然水中の微量マグネシウムの定量に利用できることを確かめた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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