日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
第52回日本老年医学会学術集会記録〈若手企画シンポジウム2:サルコペニアの臨床〉
4.サルコペニアに対する治療の可能性:運動介入効果に関するシステマティックレビュー
宮地 元彦安藤 大輔種田 行男小熊 祐子小野 玲北畠 義典田中 喜代次西脇 祐司道川 武紘柳田 昌彦吉村 公雄武林 亨
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2011 年 48 巻 1 号 p. 51-54

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抄録

目的:システマティックレビューによりサルコペニアの予防・改善のための適切な運動方法について明らかにすること.方法:医学文献データベースを用いて,サルコペニアの代替指標である骨格筋量に対する運動介入効果を検討した無作為割付介入研究を機械的に検索し,2名の専門家により精読ならびに分析した.結果:一次検索により951本の論文が選ばれ,専門家のレビューにより,9の研究が最終的に選定され,各研究の概要,特に運動介入方法をエビデンステーブルに要約した.1RMの80%以上の強度の高強度筋力トレーニングが高齢者の骨格筋量を増加させるとしたRCTが5本あった.低強度もしくは中強度の筋力トレーニングが骨格筋量に影響しないというRCTが3つあった.結論:サルコペニアを評価する客観的な指標である骨格筋量を増加させるためには,高強度筋力トレーニングを十分な期間と頻度で継続する必要があることが示唆された.

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© 2011 一般社団法人 日本老年医学会
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