微細藻類キートセロス由来フコキサンチンオイルの遺伝毒性を調べるため,細菌を用いる復帰突然変異試験およびマウスを用いる小核試験を実施した.細菌を用いる復帰突然変異試験において,試験したすべての菌株のフコキサンチンオイル群の復帰変異コロニー数は代謝活性化の有無にかかわらず,陰性対照群の2倍を超えず,復帰突然変異誘発性は陰性と判断された.マウスを用いる小核試験では,フコキサンチンオイルを500,1,000,2,000 mg/kg体重単回経口投与したところ,骨髄細胞における小核出現頻度はいずれの用量においても陰性対照群との間に有意な増加は認められず,小核誘発性は陰性と判断された.以上より,フコキサンチンオイルは遺伝毒性を有さないことが示唆された.