日本東洋医学雑誌
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原著
アジュバント関節炎モデルラットにおける抑肝散の鎮痛ならびに抗ストレス効果
本田 豊砂川 正隆米山 早苗池本 英志中西 孝子岩波 弘明須賀 大樹石川 慎太郎石野 尚吾久光 正
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2013 年 64 巻 2 号 p. 78-85

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抄録

抑肝散は,神経症,不眠症,小児の夜泣き,小児疳症など虚弱体質で神経高ぶるものの症状などに適用されている。近年,頭痛や神経障害性疼痛などの疼痛性疾患に対する有効性も報告されているが,これらの作用機序は十分に解明されてはいない。本研究では,アジュバント関節炎(AA)モデルラットを作製し,慢性炎症性疼痛ならびに疼痛に伴うストレスに対する有効性を検証した。AA モデルラットでは,疼痛閾値の低下と精神的ストレスマーカーの1つである唾液中クロモグラニンA(CgA)濃度の上昇がみられたが,抑肝散の投与により,慢性痛の発現に関与する脊髄ミクログリアの活性化が抑制され,疼痛閾値の低下が有意に抑制された。また,唾液中 CgA 濃度の上昇も有意に抑制された。これらの結果より,抑肝散の慢性炎症性疼痛ならびに疼痛に伴うストレスに対する有効性が示唆された。

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© 2013 一般社団法人 日本東洋医学会
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