EUでは年間900万台程度の使用済自動車が発生し, 25%程度は埋立処分されているといわれている。ドイツでは年間350万台程度の自動車が抹消されているが, 国内での解体は110~170万台に過ぎず, 多くは周辺諸国へ輸出されている。
ドイツには廃車政令と自主規制が存在していたが, 2000年9月に採択されたEUのELV (使用済自動車) 指令の発効を受けて, 2002年5月に新たな廃車法が成立した。これによって, 自主規制では使用済自動車の無償引取が車令12年未満のものに限られていたものが, 生産者責任が拡大され, すべての使用済自動車が対象となった。リサイクル率の数値目標や有害物質規制が制定され, 解体証明書制度も一部改正された。
また, リサイクル率向上のために, リサイクル型設計やシュレッダーダスト (ASR) のリサイクル方法開発などの取り組みが行われている。しかしながら, エネルギー回収に制限があるために目標達成は容易でないとみられる。