栄養学雑誌
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果糖誘導性高脂血症ラットの血漿ならびに肝臓脂質代謝に及ぼす中国緑茶, 烏龍茶, 紅茶の影響
岩田 多子稲山 貴代三輪 里見
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1988 年 46 巻 6 号 p. 289-298

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抄録

高果糖食で飼育した発育期および成熟期以降のラットの脂質代謝に及ぼす中国緑茶, 烏龍茶ならびに紅茶の影響を検討した。
4週齢 (体重70g) ならびに8週齢 (体重210g) の雄の Wistar ラットを, それぞれ実験1, 実験2として使用した。ラットは各々68%の高果糖食にて8週間飼育した。飲料水としては, 日常飲用する普通濃度と5倍濃度の中国緑茶, 鳥龍茶, 紅茶を投与した。
1) 高果糖食の飼育により, 食餌性の高脂血症がひき起こされたが, 中国緑茶, 烏龍茶投与群では, 4週齢, 8週齢のいずれにおいても血漿の中性脂肪の上昇を抑制した。しかし, 紅茶投与群においては, 4週齢においてのみ血漿中の中性脂肪の上昇を抑制した。
2) 烏龍茶投与群の8週齢ラットにおいて血漿中のコレステロールが高い値を示したが, この時の総コレステロールに占めるHDLコレステロールの割合も有意に高い値を示した。
3) 中国緑茶, 鳥龍茶, 紅茶を投与した8週齢ラットにおいて, 肝臓中の中性脂肪およびリン脂質が低い値を示した。

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